【ご依頼制作】≪天つ風 Piano Solo Version≫を制作しました
≪天つ風 Piano Solo Version≫(あまつかぜ ピアノソロバージョン)を制作しました。
≪天つ風 Piano Solo Version≫は、戸田光祐様 著 小説『浮世離れ。』のボイスドラマのエンディングとしてご採用いただきました。
この記事は、≪天つ風 Piano Solo Version≫を制作した背景について書きます。
≪天つ風≫の制作過程については、こちらの記事に書かせていただきました。あわせてご覧ください↓↓
制作前の下準備について
音楽制作するときはいつも、スケッチ(曲のアウトラインとコードを五線紙に記したもの)から書き始めます。そのスケッチ制作に入る前に、下準備をします。
まずは、ご依頼者様からいただいた文章やイラストなどの資料と、その資料の情報を正確に読み取るための文献を読み込みます。
そこから、表現したいイメージを言葉にして、アイデアをどんどんノートに書き連ねていきます。
そのアイデアをもとに、曲の構成・楽器編成・表出するイメージなどを考案し、ノートにメモしていきます。
そうしてできたノートをもとに、ピアノに向かいます。
そこからスケッチを制作します。
スケッチ制作について
イメージや情感を想像するとふっと湧いてくる音があります。
ピアノに向かい、体や指から流れ出るその音を、つかみ取るように五線紙に書いていきます。
展開させる部分は、構成や音型を見ながらいくつかの可能性を五線紙に書き連ねていきます。
いくつかの発展の可能性の中から最適なものを選び、曲全体のアウトラインとコードを確定します。
その後、PCに向かいPCのソフト上でアレンジをしていく、という手順で毎回音楽制作をしています。
ちなみに作曲・アレンジの制作期間中に、他の音楽はあまり聴きません。自分の中から出てくる表現に集中し、アイデアを最大限に生かしきるためにそうしています。
ピアノソロバージョンの制作について
今回制作した≪天つ風 Piano Solo Version≫は、≪天つ風≫のスケッチをもとに、ピアノで演奏したものです。
ピアノソロバージョンの制作は、ご依頼の内容には無かったため、当初はサンプルのご提案という形で制作しました。
≪天つ風≫が完成した直後に、ピアノソロバージョンを作ったら良い感じのものができるのではないかと、ふと思い立ち、急遽作ってみることにしました。
私はいつもスケッチを自分でピアノ演奏しています。曲全体の流れを体感としてつかみ取り、各部分のエネルギーの状態やイメージを確認するためです。サンプルは、そのような演奏をそのままDTMに録音したものでした。
サンプルをご提示した後、ご要望の有無に関わらず、個人的な創作意欲が湧き、このピアノソロバージョンを、自分の納得いく形に完成させたくなりました。
≪天つ風≫は自分でも良くできた作品だと思っていたためでもあります。
ただスケッチを弾いたサンプルの状態から発展させて、曲全体の構成を見据えて、表現にふさわしい書法に改変しました。
ピアノソロとして聞き映えのする、説得力のある音楽にしたいと考えました。
≪天つ風≫の曲の世界観をそのままに、心にあふれる情感をピアノソロの演奏として表現しました。
実際に鍵盤を使って身体表現した録音データに、改変を加えて作りました。
呼吸や心の動きが、聴いてくださる方々に見えるような音楽を目指しました。
そうすることで聴いてくださる方々が臨場感をもって、≪天つ風≫の音楽が内包する「浮世離れ。」の物語の世界観と、共鳴する感覚を味わうことができると思っています。
さいごに
自分が納得いく形に完成させたピアノソロバージョンを、戸田さんにお渡しすることができ、また、こころよく受け取ってくださったことをとてもうれしく思いました。
さらにうれしいことに、「浮世離れ。」のボイスドラマの最後のクレジット映像の場面に、ご採用いただきました。
≪天つ風 Piano Solo Version≫を、とても聞き映えのする形でお使いいただけたことに、喜びの気持ちでいっぱいになりました。
制作中何度も読み込んだ「浮世離れ。」の物語が、私はとても好きです。楽しくもあり、ものづくりをテーマにした奥深い物語で、先の展開がとても気になります。
「浮世離れ。」が、多くの方々に楽しんでいただけたらいいなと思います。
戸田光祐著「小説 浮世離れ。」をお読みいただけます。
見知らぬ異世界での出会いの中で家業と向き合う、ものづくりの物語りを、こちらのボタンより是非お楽しみください↓↓
当記事のアイキャッチ画像は戸田光祐様製作